オーギョーチィ専門店「愛玉子」で本物のオーギョーチィを食べる

皆さんは愛玉子を知っているだろうか。

そもそも愛玉子をなんと読めばよいか分からない人もいるかと思うが、これは「オーギョーチ」と読む食べ物だ。出すお店によってオーギョーチーとかオーギョーチィとか語尾の表記にばらつきがあるものの、まぁ概ねオーギョーチである。

オーギョーチという名前を聞いて「あぁあれね」とピンときた人もいると思うが、「なんか聞いたことあるけど、どんなのだっけ…」とまだ腑に落ちてない人も多いのではないだろうか。僕の感覚としてはアクアパッツァやいぶりがっこを凌ぐ「それなんだっけ案件」だ。

そんな人のために、まずはオーギョーチがどんなものだか、僕の初オーギョーチ体験とともに紹介しよう。

僕がオーギョーチを知ったのは、2010年8月18日である。当時高校生だった僕はこの日、所属していた陸上部の大会帰りに陸上部のみんなと桃のマークでお馴染みの中華レストラン『バーミヤン』に行った。

ところで、バーミヤンかバーミアンか、サイゼリヤかサイゼリアか、飲食チェーンにはヤかアか迷ってしまう多いことに気が付いた。そして大体ヤを選んでおけば正解。

話がそれたが、それまであまりバーミヤンに行く機会がなかった僕は、大会終わりの解放感もあってか、かなりテンションが上がっていた記憶がある。

そんな時に出会ったのが「オーギョーチ」である。

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写真は最近バーミヤンに行って撮ったもの。当時はこんなにフルーツが入っていなかった気もする。

初めて見る名前だったのと、オーギョーチというなんとなく口にしたくなる不思議な名前がハイテンションの僕にハマってしまい、思わずオーダーしてしまった。

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どういった食べ物かというと、いわゆるゼリーのような寒天質の食べ物だが、ゼリーに比べるとゆるゆるで水分が多い。そして食感として感じられるレベルではない小さなつぶつぶが入っている。味はかかっているシロップの味で、オーギョーチの味がするわけではない。

そんな、インパクトのある名前の割にあまりパッとしない食べ物ではあったが、ハイテンションで食べたが故か、その後も中華料理店などでオーギョーチの名前を見ると否が応でも脳が反応するようになってしまった。

ちなみになぜオーギョーチに出会った日付をここまで正確に覚えているのかというと、同じ日にこんな質問を知恵袋に投稿していたからだ。

知恵袋

金沙炒という料理についても気になっていたらしい。初めて見た料理に対する興味のすごさと、わざわざこんな質問の回答をチエリアンにお願いしてお礼のコインを250枚もあげているところからこの時のテンションの高さを感じていただけるだろう。そしてチエリアンは金紗沙はバーミヤンオリジナルの料理ではないとしっかり教えてくれた。

さて、そんな出会いを果たしたオーギョーチは、普段は意識しないものの、その名を目にすれば、当時のバーミヤンでの可笑しみに溢れた記憶が蘇ってくる、いわばトリガー的存在として僕の中に存在しているのだが、今回ついには記事を書くまでに至らせた強力なオーギョーチトリガーを知ってしまった。

それが、こちら。

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東京は上野にあるその名も『愛玉子』。おそらく日本唯一のオーギョーチィ専門店だ。

(これまではバーミヤンがオーギョーチだったのでそう書いてきたが、このお店ではオーギョーチィという表記なのでそれに合わせたい。郷に入れば郷に従えと言うし。)

オーギョーチィというとかなり脇役のメニューという意識があったため、それをメインに据えているお店があることにかなり驚いたが、実はこのお店、なんと90年も前からこの地で営業を続けている老舗である。オーギョーチィ歴わずか7年の僕が脇役のメニューなんて軽口を叩いてしまい面目ない。

早速店内に入ると、そこはレトロな空気が漂う定食屋さんといった雰囲気であった。

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椅子もテーブルもかなり味がある。ちなみにこの座席は「出世の椅子」と呼ばれており、これまたレトロ感ただようご利益つきだ。

メニューは基本的に全てオーギョーチィを使った何かである。かき氷とオーギョーチィが一緒になった氷オーギョーチィやあんみつと合わせたチーアンミツ、さらにはワインと一緒にチーワインなんてメニューもあるが、今回は初めてなのでプレーンなオーギョーチィを注文した。

こちらが愛玉子専門店『愛玉子』の愛玉子である。

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バーミヤンとは違い見た目が黄色いが、これはレモンシロップをかけているからでオーギョーチィ自体が黄色いわけではない。

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食べて驚いたのだが、バーミヤンのそれとは全く違う。まず弾力がすごい。バーミヤンのものは割りと水っぽい印象だったが、ここのオーギョーチィはけっこうしっかりと噛みごたえがある。といっても寒天のような固体感は少なく不思議な食感である。柔らかいのに弾力がある、アロエとゼリーを足して割った感じだろうか。

たとえたら余計わかりにくくなってしまった気がするが、とにかくバーミヤンにはない専門店のオーギョーチィをしっかり食べることができた。

さらに嬉しいのが、店内では愛玉子に関するものを見ることができる。

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こちらがあのゼリーが取れるもととなる果実である。そもそもこの植物が愛玉子(アイギョクシ)という名前で、そこから取れる果実で作られるゼリー状の食べ物がオーギョーチィという位置づけである。

そしてこの果実を割って裏返すとこのようになっている。

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果実の中には小さな種が大量に入っており、この種にあのゼリーを作り出すペクチン質という物質が多量に含まれているという。

一掴みの種を袋に入れ、そこに水をいれて10分ほど揉めば、水がペクチン質を含み膨張し弾力性が出てくる。それを2時間程度放置すると先程食べたようなゼリー状のオーギョーチィが完成。このように、寒天のように加熱をしなくても出来上がるのがオーギョーチィの特徴だ。

こんな果実からオーギョーチィが出来ていたとは驚きである。最初にこれを発見した人はみるみる出来上がるオーギョーチィを見てめちゃくちゃ盛り上がったに違いない。

ちなみにこの愛玉子は台湾にのみ自生する植物で、台湾の原住民が主食にしていたので最初にすごく盛り上がったのはたぶんこの原住民である。主食にするだけあって米と同じくらいのカロリーがあるという。おやつ感覚で食べていたが、言われてみればたしかに満腹感がすごい。オーギョーチィ、思った以上に奥が深い。

最後に、おそらく日本で唯一の愛玉子専門店の店主、長津 正さんとツーショットを撮らせていただいた。

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左が長津さん。

お祖母様が始めたというこのお店を4,5年前から引き継いだという長津さんは、この店で生まれ育った根っからの上野っ子だ。昔の上野公園はもっとアンダーグラウンド感があって良かったらしい。僕も上野は山の手にはない独特の空気感が好きなので当時の上野を見てみたかった。

小さい頃は「愛玉子」というインパクトのある名前のお店が実家ということで友達からいじられたこともあった、今ではこのお店を出来ていることが誇りに思っているという。

そんなオーギョーチィやお店にまつわることはもちろん、その他にも色々な世間話をしてくれた。最近で悲しかったことはSMAPの解散で、これまでに会った(または見た)ことがあるメンバーは香取くん(おじゃマップのロケにきたそうだ)、キムタク、吾郎ちゃんらしい。まさかオーギョーチィ専門店でSMAPについて話すことになるとは思わなかった。SMAPさすがだ。

というわけで、もともと思い出の力で気になっていたオーギョーチィだが、専門店にいったことで予想以上にオーギョーチィについて語れるようになってしまった。恐るべし専門店である。

オーギョーチィを食べたことがある人もない人も、一度本場のオーギョーチィを食べにいってみてはいかがだろうか。そうすれば間違いなくあなたの中に隠されたオーギョーチィスイッチが押されるだろう。

あと、元SMAPの中居くんと草なぎくんがこの記事を読んでいたらぜひお店に行ってあげてください。

お店はこちら

オーギョーチィ専門店 愛玉子

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