この前久しぶりに小田原駅に行ったらミナカ小田原という商業施設ができていた。2020年12月オープンで既に2年ほど経つので別に新しいわけではない。単純に私が知らなかっただけだ。
宿場町として栄えた江戸時代の城下町をイメージしたゾーンとタワー棟から構成されるなかなかユニークな施設でグッドデザイン賞もとっているようだ。
個人的には上の写真の日本家屋部分とタワー部分の調和がいまいちな気がして、なんというか腰巻ビル的な取ってつけた感を受けてしまうのだが、まぁこの施設の建築的な是非は置いておくとして、本題はこの施設自体ではない。
ミナカ小田原を駅前のターミナルから見ると、その手前にポツンと小さな建物がある。
ミナカ小田原の雰囲気とは明らかに違う建物がひとつだけ取り残されたように建っており、少し離れて見るとその存在の異質さに気がつく。
おそらくこの建物はミナカ小田原の再開発前からここにあったのだろう。そうなると気になるのがもともとここがどのような場所だったかだ。
そんな時に便利なのが毎度お馴染みGoogleストリートビューのタイムマシン機能だ。これまでパソコンでしか見られなかったが今年5月からスマホでも閲覧できるようになりすごく便利になった。出先で居抜きっぽい建物を見つけた時にすぐに昔なにがあったかを確認できたりするのでもう散歩が捗る、捗る。
というわけでタイムマシン機能でミナカ小田原が出来る前のこの場所の変遷を辿ってみよう。
ストリートビューで遡れる一番古い写真は2011年4月のものだ。
おお!やはりこの不動産屋を起点に建物が続いており商店街を形成してるではないか!この街並であれば全く違和感がないし、むしろ奥に続く建物もなんとなく不動産屋とカラーリングの調和が取れていてちゃんと調和している。
それがこのあとどう変わっていくのか。
背後ではミナカ小田原の建設が進むなか、不動産屋だけはそこに建ち続けている
こうして変遷を辿ると、周りが大きく変わっているだけに、この不動産屋の変わらなさが際立って感じられる。
立ち退きを固辞し続けたのか、ぎりぎりこの建物は再開発の範囲に含まれていなかったのか、他に何か理由があったのか、詳しいことは分からない。
しかし文字通り「不動」であり続けた事実は確かにそこにある。これぞ不動産屋という生き様がここには宿っているのだ。