正月休みに「はべん」なるものを食べた。
その聴き慣れない名前に興味をひかれ調べてみると、「はべん」とは富山や石川で練り物を指す方言のことのようだ。
はべんと聞いて思い浮かぶのはどうしたってはんぺんだが、はんぺんのことははべんとは呼ばないらしい。なかなか難しい。
はべんを調べる中で呉西という言葉が目に止まった。伝統的に富山平野の中央部にある呉羽丘陵を境に東を呉東(ごとう)、西を呉西(ごせい)と呼んでいたようだ。
富山は黒部ダムに行ったことがあるくらいで深いゆかりもないので知るよしもないのだが、なるほどそういう地域の分け方があるのか。こういう地域の呼び方を知ると急に地域に対する興味が湧いてくる。
町レベルまで細分化されてしまうとキリがないが地方レベルだとまだ処理しやすい情報量という意識もあるのかもしれない。
数年前に北海道で地震があったときも不謹慎ながら胆振地方という聞き慣れない地方名にばかり気がとられてしまった。
さて富山を呉東と呉西に分けるのが呉羽丘陵(くれはきゅうりょう)という丘だが地図で見るとこれがなかなかすごい丘陵だ。
富山平野を文字通り二分するように縦走しており確かにこれは文化圏を隔てるだけの壁になり得そうだ。もっと引きでみてもすぐわかる。
せっかくなので断面図も見てほしい。SASUKEもびっくりのそりたつ壁である。
こうなると実際の見た目が気になってくるのでGoogleストリートビューでチェックしないわけにはいかない。東側にある安田城跡から臨む呉羽丘陵はこんな感じだ。
左右にずーっと続く緑の高い部分が呉羽丘陵である。これはかなりの圧迫感だ。この画像だけ見ると単純に山脈を眺めているのかと思ってしまうが、裏側はまたすぐに崖になっていて厚みのない、ハリボテのような丘陵なのだ。コント番組のセットかな。
さらにちなみにの話になるが、この呉羽丘陵の先端部分を北陸新幹線(と在来線)が貫通している。通常このような丘は避けて鉄道は通されるが、富山駅の立地からどうしても呉羽丘陵にトンネルを通さざるを得なかったのだと思う。
気になるのは呉羽丘陵の西側。高岡、金沢方面のトンネル出入り口だ。
丘陵からは早々に新幹線が出てきているにも関わらず、しばらくコンクリートのフタがされたような状態が続いているのだ。
そんなに鉄道には詳しくないのだが、これはどういう意味があるのだろうか。多分近隣への騒音防止とかスピードを維持するためとかそんなことだろうとは思うが、何にせよコンクリートの半円柱がズドンと伸びているのがかっこいい。珍しそう(知らないだけでよくあるものだったらすいません)だしいつか見に行きたい。
…はべんから新幹線にまで思いを馳せてしまった。今年もしばらくは旅行ができなそうなのでこうやってどんどん行った気になっていきたい。
明日からまた仕事だ。