山手線の内側で登山してきた。

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先日、箱根山に登ってきた。

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こちらが登山口。

そこから山道を登ること1分…

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山頂へ到着!!

箱根山というとロマンスカーに乗って、箱根登山鉄道に乗って、さらにケーブルカーやロープウェイで…

と考える人がほとんどかもしれないが、実は今回登ったのはあのお馴染みの箱根山ではない。

西早稲田駅から徒歩5分程の戸山公園にある箱根山である。
戸山公園周辺については東京DEEP案内さんでも取り上げられているので合わせて読んでほしい。今度戸山ハイツも見てみたい。

標高は44.6m
登山にかかる時間はわずか1分だ。

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麓からは山の全景を見渡すことが出来る。
このサイズだとむしろザ・山といった感じがある。

山頂と麓で会話をすることも可能である。

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ただ、山頂から下を見下ろすとけっこう急な階段となっているのでお年寄りの毎日の運動にはちょうどいいかもしれない。

こんな山でも実は山手線の内側の中では最高峰の山となっている。ちなみにこの山は江戸時代に土を盛って作られた築山で、自然の山として23区内で最も高いのは港区にある愛宕山である。

この山手線内で最高峰情報、意外と知られているようで、居合わせた孫を連れたおじいさんと散歩に来ていたおばあさんとお喋りしたのでここぞとばかりに知識をひけらかしてみたら二人共知っていた。やはり年配の方は物知りである。したり顔で話した自分が恥ずかしいが若気の至りということでどうか許してほしい。

春になると山頂は桜の名所となるらしいがまだ今は枯れ木に囲まれているだけであった。せっかく来たのに思ったより簡単に登れてしまったし、桜は見れないし、このまま帰るのは悔しい。山頂の看板を見ると、戸山公園サービスセンターで登頂証明書が貰えるというので貰いに行くことにした。

戸山公園はこの箱根山エリアと、明治通りを挟んだ大久保エリアに分かれている。サービスセンターがあるのは大久保エリアだったのでそこまで15分弱歩かなくてはいけない。登頂より登頂証明書を貰いに行くほうが時間がかかるとは一体どういうことだろうか。

とは言いつつも大した距離ではないのでサービスセンターまで行ってみると、登頂証明書の他になんとクリアファイルまで貰えた!!

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裏側にはこのように登頂証明書を挟むことも出来る。ちょっとした丘に登っただけなのにここまでされるとあたかも凄い山に登った気になってくる。

またサービスセンターでは面白い話をたくさん聞くことが出来た。

なんでもこの辺りはもともと「戸山荘」と呼ばれる尾州徳川家の広大な下屋敷があり、その中に立派な庭園が作られたという。そこには泉や渓谷、築山、田畑、そして小田原の宿場町の景色をまるっきり真似た「町並み」も存在した。この「町並み」は徳川将軍がやってきた時のみ開かれ、将軍はここで当時の庶民の暮らしを体験することが出来たのだ。

明治に入るとこの地は陸軍学校用地になり、銃撃や武術の訓練に使われた。そして、陸軍用地になった頃からこの築山は箱根山と呼ばれる様になったという。その頃は既に小田原宿の町並みは無くなっており、当時を偲ぶ唯一のものがこの築山だったことから、小田原に想いを馳せる意味を込めていつしか箱根山と呼ばれるようになったのだ。

ちなみに陸軍用地時代の銃弾が今も箱根山には埋まっているらしい…

そしてさらに江戸時代の戸山公園周辺を書いたチラシもくれた。

昔の戸山公園小

地図好き・地形好きとしてはかなり興奮する資料である。ちなみに両脇の絵は谷文晁によるものである。けっこう凄い。

真ん中の地図を見てみると二箇所に池があることが分かる。実はこの池を作るために掘った土を盛ったものが他でもない箱根山なのである。

これを知った上でもう一度公園をよく見ると新しい発見がある。

右上にある池は現在は運動場になっているのだが、よく見ると周りよりも一段低くなっているのが分かる。

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写真で示したように、以前に池があった場所はその外側の土地に比べて低くなっている。

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また運動場の向かい側にあるこのスペースも地図を見ると当時は池だった場所だ。運動場と同じように奥側は土地が高くなっており、池があった場所は土地が低くなっている。さらにここには、今は冬なので水は流れていないが小川が作られている。もともと池や川だった場所に作られた施設には水にまつわるオブジェや景観が作られることが多いのである。

このようにその土地の歴史を知ることで、何の変哲もない光景がここまで面白いものになってしまうのだ。もちろんこれらのことはあくまで推測の域は出ないので「趣味」として楽しむのがちょうどいいと思う。

そんなわけで山手線内最高峰の山へ登りに行ったら思わぬ地形散歩が出来てしまった。皆さんもぜひ土地からのメッセージを感じながらまちを歩いてみてはいかがだろうか。

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