ラスコーには1~4まである

「ラスコーの壁画」と言えば、先史時代の洞窟壁画であり、知らない人はいないくらい有名な存在である。

ラスコー1

しかし、有名であるがゆえに、発見当初から多くの人が訪れ、観光客の吐く二酸化炭素によって壁画に急激な劣化が見られたため、現在では実物を見ることはできなくなっている。このラスコーの壁画が発見されたのは1940年、一般公開が中止となったのは1963年なので、公開されていたのはたったの23年間であり、その後は現在までの53年間ごく一部の研究者以外には公開されていないのである。

今や公開されていた期間の倍以上が非公開期間となっており、100年に一度しかご開帳されない超秘仏のようなものである。もはや宗教的なパワーすら感じる。

そんなラスコーの壁画だが、やはりどんなものなのか見てみたい!という声は多く、そんな声に応えるために近くに洞窟の2/3を再現したレプリカ洞窟が存在している。

その名も「ラスコー2」である。

ラスコー2

入口の看板には確かにラスコー2と書いてある。

無論、現在は入ることの出来ないオリジナルの洞窟がラスコー1だ。

このラスコー2は、オリジナルのラスコー1が非公開となってからちょうど20年後の1983年に作られている。当時の人々のそろそろラスコー見たい欲をうまく解消してくれたに違いない。

これで人々のラスコー見たい欲を解消することが出来てひと安心…と思いきや、ラスコーを見たい人は世界中にいた。ただ、ラスコーを見にフランスまで来ることは出来ない、、、という人も多い。

そこで作られたのが「ラスコー3」である。

ラスコー3-1

これは2015年から始まった世界中を回る巡回展のために制作された、持ち運び可能なラスコー壁画だ。いわゆるポータブル壁画である。

ラスコー3

このラスコー3によって小さな子どもや旅行に行く暇のない人もラスコーの壁画を楽しむことが出来るようになった。

そしてこのラスコー展が、なんと日本にもまもなく上陸する。

今年2016年11月1日~来年2017年2月19日まで上野の国立科学博物館にて特別展「世界遺産 ラスコー展」が開催されるのでぜひ見に行きたい。

ラスコー3-2

この展覧会ではラスコー壁画の失われた線がレーザーで浮かび上がる仕掛けなどがあるらしい。ラスコー3すごい。2からかなり進化している。

ポータブル機能により世界中の人が楽しむことが出来るようになったラスコーの壁画であるが、なんと今年、さらなるラスコー壁画施設が完成予定となっている。

その施設とはモンティニャック・ラスコー国際洞窟壁画芸術センター、

通称はもちろん「ラスコー4」である。

ラスコー4-1

ラスコー4ではついにラスコー洞窟全体の複製を実現しているという。全長150メートル、奥行き70メートル、高さ8メートル、全8500平米のレプリカ洞窟の内部は、じめじめして暗く、音がくもって聞こえ、まるで本物の洞窟の中にいるような空間になっており、最新のデジタル技術も大量に使用されているとのことだ。オープンは今年の12月15日に迫っている。

ラスコー4-2

イメージ画像の意味が全然分からない。百聞は一見にしかずというのでぜひオープンした暁には訪れてみたい。ちなみに僕はフランスに行ったことがない。はじめてのフランス旅行の目的がラスコー洞窟というのもなんとも乙である。

ここまで

ラスコー1(本物)

ラスコー2(レプリカ)

ラスコー3(ポータブル機能)

ラスコー4(デジタル)

とラスコーの変化を見てきたが、この1~4という書き方でどうしても連想してしまうものがある。

そう、ランボーである。

シルベスター・スタローンの代表作であるランボーシリーズもくしくも4作目まで作成されている。もはやランボーを意識してネーミングしたとしか思えない。いやランボー2の公開が1985年、ラスコー2オープンのわずか2年後であることを考えると、ランボーがラスコー人気にあやかったのかもしれない。

せっかくなのでランボーも1から順に見ていこう。

ランボー1

ランボー1

ランボー2

ランボー2

ランボー3

ランボー3

ここまでの3作品はわずか6年の間に作られているため、ポスターのテイストもあまり変化がない。この後かなり長い間があき、ランボー3公開から20年後の2008年に最後のランボー作品、ランボー4(最後の戦場)が公開されるのである。

そのポスターがこちら

ランボー4

めちゃくちゃかっこ良くなっている。シルベスター・スタローンの深みが増しすぎて別な映画になっているような気がする。チェ・ゲバラか。

つまり何が言いたいかというと、ランボーが4で突然化けたように、ラスコー4で突然化ける可能性があるということだ。我々の予想を上回るようなものすごいものを見せてくれる期待が否が応でも高まってくる。

そして、次のラスコー5あるいはランボー5はあるのか、という部分もどうしても気になってしまう。ランボーは4で最後の戦場の副題がついているため、ランボー5が見られる可能性は低いのかもしれないが、いっそのことラスコーとランボーが手を組んで「ラスボー」という奇跡の作品を作ってはどうだろうか。ラスコーを舞台にランボーが大暴れ。ストーリーは全然分からないが、関係各所から非難が殺到することだけは僕でも分かる。

というわけでラスコー3(巡回展)がきたり、ラスコー4がオープンしたりと何かとラスコーニュースが多い2016年。ラスコーのような繊細さとランボーのような激しさを兼ね備えた男を目指していきたい。

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