最近シカが増えまくっててやばい話

―びいと啼く尻声悲し夜の鹿

かつて松尾芭蕉はなんとも言えぬ悲しさを帯びた声で鳴くシカを詠った。

また奈良や厳島では古来からシカは神鹿(しんろく)とも呼ばれ神聖な動物として扱われてきた。

そんな日本人にとって馴染みの深いシカも農業を営む人々にとってはいつの時代も害獣だ。

 

天声人語みたいな書き出しで始めてみたけど、ここ数年全国的にシカが増えまくってて農業に多大な損害を出しているらしい。今年10月岡山県備前市ではシカ・イノシシ課を設置したくらいやばい状況である。そんな早口言葉みたいな課を作っちゃうってなかなかやばい。

日本経済新聞の記事によれば、2011年北海道を除く全国に261万頭いるシカは2025年までに500万頭を超える勢いで増えるという。15年程で倍である。気づいたら横にシカがいるなんて状況も近い将来あるかもしれない。

原因としては
①天敵であるオオカミの減少
②温暖化により越冬が容易に
③狩猟人口の激減

などがあげられる。かつて人がオオカミを狩猟しすぎたことで天敵がいなくなったシカだがその後はシカを狩る人が新たに天敵となった。今度はその狩人たちが減り再びシカの天敵はいなくなったのだ。改めて人間の身勝手さがよく分かる。

しかし現実問題として農業に従事する人々はシカの被害に苦しめられている。国としても今後シカの数を減らすために狩猟人口を向上させるための対策などを講じていくようだ。

目の前の問題を解決するために生態系に再び人間の手を加える。自ら壊した生態系は自らの手で直さなくてはいけないということか。ただ同時に、嘘をついた人がその嘘を繕うためにさらなる嘘をつくという状況を想起してしまう。人間社会ではなく世界のためにどうするべきなのかを私たちは考えていかなければならない。しかし考えているのも所詮人間。人間が、世界という我々の存在の前提となる存在を本当の意味で正しく捉えることは不可能なのかもしれない。

 

 

さて、壮大な問題を投げかけたところで、最後に実質的に俺たちがこの問題で出来ることはなにかである。狩人になるぜ!って人はぜひ森に分け入って鹿を狩って金持ちが家の壁に掛けてる鹿の頭の剥製でも作ってほしいわけだがなかなかそれは出来ることではない。一番手っ取り早いのは鹿の肉を食べるということではないか。

鹿の肉は日本ではあまり食べられていないがヨーロッパでは実は高級食材らしい。なかでもドイツ人はすごい鹿食うって。

というわけで都内で鹿の肉が割りと手頃な値段で楽しめるお店がこちら
米とサーカス

このお店、鹿肉以外にも熊・猪・山羊・羊・鰐・ダチョウ・鮫・鯨・スッポンなど様々な獣肉が味わえるのだ。なんとも楽しそう。

こういうの好きな人ぜひ食べに行きましょう。

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コメント

  1. クロマムラ より:

    アメリカンジョークの、ひとつだけ多数決で願いを叶えるとすると、人間以外全ての生物の希望によって、人類の滅亡が叶えられるって話を思い出したね。面白かったよ。

    • anx より:

      それが真理だと思うけどねぇ。そろそろ人間より高等な宇宙人に侵略でもされるべきなんじゃないかな笑。

  2. llll より:

    輸出するっていう選択肢もあるんですかね?

    • anx より:

      あると思います。アジアだと鹿肉って固くて血生臭い肉だと思われてるけどちゃんと下ごしらえあるいは調理すれば実はすごく美味しい肉らしいんです。そこら辺の意識改革さえ出来ればアジア各国に鹿肉ブームを起こして新たな市場を開拓できるかもしれません。もちろん既に多く食べられてるヨーロッパに格安で輸出という手もあるかと思います。
      しかし一度輸出始めるとある程度安定した供給が必要になるのでまた狩りすぎ状態になってしまう懸念もありますよね。

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