ここ2日間流れ星で世間の話題は持ちきりだ。
人はなぜ流れ星を見て心をときめかせるのだろうか。
たぶんそれは珍しいからだ。中々空を見上げない現代人にとって流れ星はどんどんレアな存在になっている。意外と普段から流れてるかもしれないのに夜空を長時間見ることはないからやたらめったら流れる流星群の襲来に人々は歓喜する。
ところで皆さんは流れ星のメカニズムを知っているか。
調べてみると流れ星というのは地球に向かって秒速40km程で突っ込んでくる宇宙のチリで重さは明るい流れ星でも10g程しかないらしい。時速で言うと約144,000km。万里の長城を一時間で6往復半以上も出来るのだ。全然ピンと来ない。
ちなみに地球の公転速度は秒速30km程なので実際に地球上の僕達の目からは秒速70kmで突っ込んでくるように見えている。そんな宇宙のチリが地球に向かう途中に大気やらなんか色々なものとぶつかってその衝撃でピカーッと光っているというわけ。意外と簡単である流れ星。
ここまで読めばだれでも分かる。
我々が秒速40kmで動けばすべての星は流れ星になるのだ。
こんな簡単な事にも気づかず、いつ見えるか分からない流れ星に翻弄されていた自分が情けない。流れ星を探す必要なんてなかったのだ。
ここで一つ注意が必要なのだが、地球の重力はあてにならない。
実際にやってみてもらえば分かるが、秒速40kmで動いた場合、自分がいくら地面にそって動こうとしても地球は球であるために遠心力が働き身体は宇宙へ放り出される。生まれてからずっと君を包み込んでいた重力はもう君を守ってはくれない。人間いつかは独り立ちする。旅立ちの時だ。
そしてもうひとつ。
地球は秒速30kmで動いているので運良く地球の進行方向に投げ出されたとしても毎秒10km程地球から離れていくし、進行方向と逆だった場合毎秒70km程地球と距離をあけられる。地球はいつだって薄情なのだ。それもこれも君が地球の温暖化を促進してきたからだ。恨みを買わずに生きることは誰にも出来ない。人間皆罪人なのだ。
イメージとしてこんな感じだ。
今度流れ星を見かけたらそれはどこかの誰かかもしれない。