時々、街中で「閉店セール」と書かれたのぼりが店の前に立っている。
そういう店に限って、「あーそろそろあの店も閉店するんだな」と思ってしばらく見ていても、いつになっても閉店する気配がない。その店の向かいの店がいつの間にか先に閉店していたりする。
なぜだろうと考えてみたら、普通もう店をたたもうというタイミングで、新たに閉店セールのぼりを購入するだろうか。つまり、閉店セールのぼりをわざわざ購入するような店ははなっから店を閉じる気はない(もしくは「こっちは毎日店閉めとるから、毎日閉店してんのじゃボケェ」)可能性が高い。
ちなみにアマゾンで売っている一番高い閉店セールのぼりは6,200円もする。
商品の説明には「背景に文字を影の様に配置して効果を狙いました。」とある。
ガチである。
こののぼりを買う人は閉店セールでガチで儲けようとしている。
もしかすると、閉店セールのぼりを買ってしまったことによって、「こののぼり分のもとは取らなきゃ!」という思考が働き、むしろ店が閉められないのではないか。
言うなれば「閉店セールのぼり=商売繁盛のお守り」状態である。
これを応用すると、例えばお年寄りは「永眠間近!」と書いたのぼりを背中にでも立てておけば、きっと死期は先延ばしになるだろう。
ただ、これはお年寄りが自発的にやらなければ意味が無い。自分で「わたしゃそろそろ死ぬよ!」と言うおばあさんは往々にして長生きするが、これを他人が言ったらただの暴言になるのと一緒だ。
永眠間近のぼりを携えた元気なお年寄りが増えることを期待しつつ、これからも閉店セールのぼりを立てる店の行く末に注目していきたい。